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リブート版『ターミネーター:新起動/ジェニシス 』ネタバレ感想&トリビア疑問の徹底解説

本作は、新たな3部作として始まった「ターミネーター」シリーズのリブート版。

リブート版なだけに、過去の作品とはまた違った印象を受けるのがポイント。ということで今回は、映画『ターミネーター5』に焦点を当て、ネタバレ感想からトリビアや疑問点の解説までします。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』作品紹介


タイトル:ターミネーター: 新起動/ジェニシス(原題:Terminator Genisys)
監督:アラン・テイラー
脚本:ラエタ・カログリディス、パトリック・ルシア
ジャンル:アクション、SF
上映時間:125分
キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、J・K・シモンズ
作品概要:2015年に公開された「ターミネーター」シリーズ第5弾であり、これまでとはまた異なる新起動(リブート)版。産みの親であるジェームズ・キャメロンおよびT-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーがシリーズに復帰するなど注目を集めていました。

内容としては、1,2作目を混ぜ合わせたようなストーリー。批評家の意見はそこまでよくないほか、興収で見てもあまり成功はしていません。そのせいか、もともと3部作作られる予定が本作のみで続編製作は中止されています。

なお2015年における予告編視聴ランキングでは、5位だった模様。

注意

ここから先は本編のネタバレが含まれます。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』登場人物とやったこと

T-800

大量生産されているターミネーター。今作ではサラ・コナーを守るT-800と、スカイネットが送り込んだサラ・コナーを始末しようとするT-800がいます。

スカイネット側が用意したT-800は、サラ・コナーを守るT-800がすぐに排除。サラ・コナーを守るほうはおじさんと呼ばれており、幼少期から守っていた模様。

タイムトラベルの際は、行くことができないため1人でお留守番。1984年から2017年までひたすらサラたちが来るまで待っていた模様。

合流したあと、サイバーダイン社で高性能なT-3000相手に悪戦苦闘。最終的に道連れで排除します。また本人は、液体金属によって再び復活しました。

サラ・コナー

幼い頃にターミネーターに両親を襲われた結果、助けてくれたT-800に育てられた女性。本作では別の時間軸のため、これまでのサラとはまったく異なります。

T-800をおじさんと慕い、1997年に来ると言われる審判の日に向けて準備。1984年にはおじさんから聞いていた通りカイルが現れたため、一緒に行動します。

カイルの説得により1997年ではなく行き先を2017年に変更。そこでカイルと共にジェニシスを倒し、審判の日を乗り切りました。

カイル・リース

サラ・コナーを守るため、未来から人類抵抗軍が送り込んだ屈強な兵士。サラ・コナーとの間に上司でもあるジョン・コナーを設けると聞いてたいそう驚いた模様です。

ジョン・コナー

人類抵抗軍の指揮官で、スカイネットを敗北近くまで追い込んだ優秀な戦略家。

しかしながら本作では抵抗軍にいた潜入型ターミネーターに気が付かず、カイルが過去に飛ぶ前に捕縛。本作ではスカイネットから魔改造を受け、最新型のターミネーターT-3000として終盤に登場します。

T-3000になったジョンはカイルとサラのみを救い、ほかの人類は抹殺しようと考えていた模様。圧倒的な力でT-800を追い詰めたものの、弱点でもある電磁場装置で道連れにされて消滅しました。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』1分でわかる結末ネタバレ

西暦2029年頃、30年にも及ぶスカイネットと人類の戦争は後者の勝利で終わろうとしていました。そんななか、スカイネットは1984年のサラ・コナーを始末することでジョンの存在を消そうと考案。人類も同時期に助っ人を送り、対抗します。

スカイネットを送り込んだ刺客を人類側で送り込まれたカイルやサラは討伐。それからサラとカイル、幼い頃からサラの面倒を見たらしいT-800は2027年に行きます。なんでも時間軸が複数あるらしく、カイルが見た未来は1997年が審判の日。しかし訪れた1984年の審判の日は、2027年でした。

別の時間軸である2027年に来ると、そこは問題なく平和な世界。ただ数日後にジェニシスと呼ばれる世界中のインターネット接続可能デバイスにアクセス可能なオペレーティングが起動する様子です。

なんでもジェニシスが起動したときが今回の時間軸における審判の日であり、起動したらスカイネットと人類の戦いが始まる模様。そこでサラとカイル、それにT-800が阻止しようと試みました。

結果、ジェニシスのあるサイバーダイン社を丸ごと破壊。しかしジェニシスのコアが破壊しきれなかったようで、再起動を図ろうとしていました。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』詳細な結末ネタバレ紹介

両親が死ぬ前に教えてくれた昔の世界。俺が生まれるずっと昔、機械軍との戦争が始まる前は世界に緑が満ちていて広大で美しかったらしい。

笑顔があふれるその世界は、希望と未来があり、生まれた頃にはすべてが破壊されていた俺には知らない世界だった。

スカイネットはコンピューター管理の防衛システム。人類を守る役目を担っていたはずだったものの、実際は違った。1997年8月29日に起動したスカイネットは、人類を敵としてみなして排除を実行。世界は核の炎に包まれ、以降スカイネット率いる機械軍と人類の生き残りが何十年にもわたり戦争を繰り返している。

サラ・コナーを守れ

1997年の審判の日、スカイネットの核ミサイル攻撃は一瞬にして30億人の命を奪取。生き抜いたカイル・リースは荒廃した世界を生きていたものの、ジョン・コナーによって救われます。

2029年、人類抵抗軍を指揮するジョン・コナーは、まるで未来のことを知っているかのような戦略を展開。戦力の必要な場所やスカイネットの罠がどこかを把握しており、適切な作戦で勝利をもたらしていました。ジョンは決起集会を開き、人類抵抗軍の勝利は近いと演説。率いる舞台の士気をあげます。

いっぽう追い込まれ気味のスカイネットは、初めて時間転移装置を開発。1984年に向けてT-800型のターミネーターを送り込み、抵抗軍の指揮官ジョン・コナーの産みの親であるサラ・コナーを始末することで、ジョンが生まれる未来を消し去ろうとしていました。

動きに気づいた人類抵抗軍は、サラ・コナーを守るべくスカイネットと同じようにタイムマシンを稼働。誰が行くか志願を募ったところカイル・リースが名乗りを上げます。1984年のサラ・コナーはか弱い女性であると共に、信じない場合の伝言をカイルに伝えるジョン。カイルが過去に旅経つ間際、ジョンが後ろから何者かに襲われているような姿が描写されます。

過去に移動中、カイルは幼少期の自分の姿を確認。幼いカイルは「ジェニシスがスカイネット」「審判の日は2017年」「起動したら審判の日が始まる」と言い残し、カイルは過去に到着しました。

1984年

1984年。

スカイネットから送られてきたT-800(若)は、チンピラ3人をまずターゲットに設定。しかし後ろから待っていたような形で同じ姿をしたT-800(中)が出現し、交戦します。同じ容姿のT-800(中)を見たT-800(若)は、混乱していました。

別の場所では、カイル・リースがホームレスから服装を入手。警察に追われていたところT-1000が出現し、追いかけられます。執拗に追いかけてくるT-1000に対して、警察はカイルに手錠をかけました。しかしロボットと気づいた警察は手錠を解除して応援要請します。

そこに現れたのは若い女性。女性はサラ・コナーと名乗り、カイルを助けます。サラ・コナーによると、「ここは以前の1984年ではない」とのこと。また「私たち」と言ったサラにカイルは疑問を抱くと、車にT-800(中)が乗っていました。

T-800(中)はサラを守る守護者で、T-800(若)を既に倒した様子。T-800(中)を送った人物は不明ではあるものの、サラ・コナーを守れとプログラミングされています。

サラ・コナーはT-800(中)から既に「カイルが来ること」「未来で起きること」「その後のこと」など何もかも知っている様子。それから液体金属で車両に印をつけていたT-1000が襲ってきたものの、なんとか撃退に成功しました。

いざ未来へ

サラたちの潜伏地には壊れた時間転移装置が置いてあり、修理することで1997年の審判の日に行こうとしています。しかしカイルは1997年ではなく行くのは2017年10月だと主張。

断片的な記憶を持っているカイルは「未来が変わったから1997年ではなく2017年に行く必要がある」と言ったものの、サラは拒否。最終的にジョンから聞いていた伝言をカイルが言うと、サラは納得したようで2017年に行き先が決定しました。

時間転移装置にはパーツが足りてなかったものの、T-800(若)から抜き取ったCPUを使用することで直った様子。しかしながらT-800(中)はT-1000との戦闘で生体組織を損傷したことで、タイムトラベルできなくなります。

T-800は時が来るまで気長に待つと主張。カイルは何がなんでもサラを守ると言い伝え、T-800(中)を置いて2人は2017年に移動しました。

2017年へ

2017年サンフラシスコ。審判の時間まであと1日と11時間。

未来に到着したカイルたちは、裸の状態で道路のど真ん中に転送。不自然すぎて警察に拘束され、病院に送られます。そこでカイルたちは、ジェニシスが日常のあらゆるものに繋がるオペレーティングシステムであることを知らされました。

またサラは、過去を明らかにします。なんでも13歳の頃に親と釣りを楽しんでいたころ、母親がいる小屋が爆発。父親が言われるままに橋の下に逃げ込み、父親も何かにやられたとのこと。そしてそこにはT-800(中)がいて、以来守護者として教育されたのだとか。カイルのことを信じたのは、父親が当時言っていた言葉をカイルが発言したからでした。

それから戸籍情報を確認すると、サラはまったく情報なし。カイルは指紋の情報があり、12歳のカイルが2004年に生まれていると判明します。またそこに1984年のロサンゼルスで救われたという警察が登場。その警察だけはタイムトラベラーと信じているようです。

そんななか、カイルはサラにわざと怒るような態度を取りました。結果現場に混乱が生じ、警察がいなくなってからどさくさに紛れて手錠を外します。ちょうどそこに、いないはずのジョンが2029年から出現。

3人は喜びを分かち合ったものの、直後T-800(老)が現れてジョンを銃撃します。

ジョンは敵

本物のジョン・コナーなのか疑問に感じたサラは、テストします。結果本物の判断して、一緒に移動。このときジョンは、自身がサラとカイルの子供だと主張。カイルだけはこのことを知らず疑問に感じますが、「未来が変わるかもしれないから教えなかった」とサラは告げます。

いっぽうT-800(老)は現場の監視カメラを確認するとカイルたちの元へ直行してジョンに銃撃。カイルはやはり敵だったと思いましたが、ジョンは平気な顔で立ち上がります。

結局ジョンはスカイネットの攻撃を受けたことで、T-3000という新型ターミネーターに改造されていました。T-3000は分子レベルで形を変えるため、通常の液体金属よりも優秀な固体ですが、一応磁場に弱いという弱点は残されています。

ジョンがやってきたのは、サラとカイルだけを救ってほかの人類は滅亡させるという目的がありました。

保管庫

ジェニシスの起動までの時間が迫るなか、カイルたちは武器を保管している場所に移動。そこでサラは、「カイルは48時間以内に私と子供を作って死ぬ運命だから伝えられなかった」と言います。直後、場所を突き止めたジョンが保管庫に襲来。

ジョンを攻撃したあとカイルたちはその場を離れ、カーチェイスに発展します。それからカイルたちは警察に逮捕。尋問されているときにT-800(老)がT-3000の存在に気づいて荒れます。

そこにはタイムトラベルを信じる救われたらしい警察もおり、逃走の手助けをされました。また子供時代のカイルも警察に呼ばれたらしく現場におり、サラは「振り返らずに全力で」という言葉を教えます。

ジェニシスは起動させない

サイバーダイン社に到着したところ、待っていたのはT-3000とジェニシスの人工知能のホログラムでした。T-3000とT-800(老)が交戦しながら、ホログラムは精神攻撃のようにどこでも出現しては囁きます。

そのうちT-3000を排除する方法は、弱点である電磁場を使うしかないと悟った一行。そこには超巨大な電磁場発生装置も置いてあり、T-800(老)は覚悟を決めます。

T-800(老)がT-3000の胸を腕で貫いてすぐ、再構成によりT-3000は元通り。しかしT-800(老)の腕は貫かれたままで、2人は合体しました。そこでT-800(老)は、合体した状態で強引に電磁場発生装置の内部に潜入。T-800(老)のお願いによりサラは泣く泣く装置を起動します。

装置が起動すると、強力な電磁場は2人のターミネーターを瞬時に撃破。サラとカイルはシェルターに避難していたため無事ですが、サイバーダイン社の建物は木っ端みじんに吹き飛びました。

戦いが終わったあと、サラはT-800(老)の残骸を拾おうと考案。しかしシェルターに突然侵入者が現れ、それはT-800でした。どうやらT-800(老)の頭だけが装置から落下した際、下部にT-1000開発に使われる予定だった液体金属があった模様。

頭だけが液体金属に浸かった結果、T-800はグレードアップして復活したとのことです。

それから3人は、幼少期のカイルの元を訪問。大人カイルは幼少期カイルに対して、「スカイネットはジェニシス」であることを伝えます。カイルが時間転送中に見た幼いカイルの言葉は、実は自分が教えていたようです。死の運命を乗り越えたカイルは、不確定な未来に希望を見出します。

いっぽうクレジットが流れている間、サイバーダイン社に不穏な動きが発生。ジェニシスのコアが破壊されていなかったようで、再起動しようと動いていました。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』疑問点の解説

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』知られざるトリビア紹介

時間軸の導線

本作では異なる時間軸が存在すると話されていましたが、映画の冒頭の時点ですでにそのヒントがありました。

1個はカイル・リースが下水道にいた際ターミネーターからジョンにより救われたもの。別の作品ではカイルはスカイネットの捕虜にされ、ジョンから救われているので異なります。

もう1個は未来のカイルが、サラの写真を持ってたシーン。別の作品ではターミネーターと交戦中、サラの写真が燃えてしまっています。

同じ傷は避けられない?

本作ではタイムトラベルのあと、サラ・コナーがT-3000の攻撃を受けて肩を負傷しています。また別の時間軸でサラ・コナーは、T-1000に肩をやられたことがありました。

どちらも同じような傷であり、時間軸は違っても外傷を伴う負傷は避けられないことが暗示されています。

裸の高速道路

本作では2017年にタイムトラベルした際、サラとカイルが裸で高速道路に到着しています。

実はドラマ作品の『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』でも裸でサラとジョンとキャメロンが2007年の高速道路にタイムトラベルする場面があり、過去作に対するオマージュです。

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』感想

リブート版3部作の1作目としてスタートした本作。まず序盤では1984年にタイムトラベルするわけですが、本シリーズの初代の序盤に映るシーンとまったく同じものが使われていてとても懐かしさを感じる構成です。

アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800もサービス精神旺盛。1人は若いタイプ、もう1人はおじさんと言われるタイプ、さらに2017年のT-800はアーノルド・シュワルツェネッガー本人といった感じで、1キャラで3度おいしいのがポイントでした。

2009年に公開された3部作が中止になり、リブート版の本作でも結局今回だけで続編中止になっているのは結構残念。しかしながら2019年にはもう一度、今度はもっとも人気のある映画『ターミネーター2』の正統続編らしいので、中止にならずに成功してほしいと思います。