『モータルエンジン』シリーズに登場する専門用語を解説します。
よくわからなかった場所など参考にしてください。
ネタバレになる情報も含まれます。
目次
アウトカントリー(Out Country)
アウトカントリーは、ベア・アースやザ・グラウンドとも呼ばれる場所のこと。簡単に言えば現実で地に足をつける地面が「アウトカントリー」に当たり、移動都市の上で生活する『モータルエンジン』の世界観ではトラクショニストから忌み嫌われています。
移動都市は大小あれど巨大なキャタピラを使って移動するため、アウトカントリーは基本的に様々な深さの凹凸が形成されます。また植物を生えたところで潰されてしまうことから、基本的には泥やぬかるみが発生していてとても歩くのも困難な状態です。
とは言っても、アンチトラクショニストからすればアウトカントリーこそが生活の拠点です。アウトカントリーには移動都市に住む住人を除き、貧困に苦しむ人やスカベンジャー、静止都市に住むものがコミュニティを形成しています。
スカベンジャー(Scavenger)
スカベンジャーは「ゴミ拾い」や「ゴミあさり」とも呼ばれ、都市に住むほどの経済力のない人や、両親がいなかったり拠り所がない人達がなる傾向にあります。食物連鎖の中でも底辺に位置し、移動都市の食い食われの中で廃棄されたゴミ(機械等)の中から売れるものを見つけて生計を立てています。
移動都市の中にもスカベンジャーは見られるほか、そこらへんに群がっています。また、主人公のヘスター・ショウも初登場時はスカベンジャーに含まれていました。
基本的にはお金がないため、小汚い恰好をしていたり地面を裸足で歩くなどしてトラクショニストからは野蛮人として見られます。
ガット(Great Under Tier)
ガットは「グレートアンダータイア」の英語表記の頭文字で形成された言葉で、日本語で言うと「消化管」や「腸」とも言います。「腸」という名前の通り、他の都市を食べた際に一番最初に送られるのがこの場所です。
食べた都市はガットの中で作業員によって解体され、食料や機械類は綺麗に分別、捕まえた住民は奴隷にしたり、いらない物はアウトカントリーに排出されます。
小さな都市にはガットがあるか微妙ですが、大きな都市には基本的にある模様。
大規模移動都市として出てくるロンドンの場合、一番下の階層にガットがあり、作業場所や工場、機関室といったもので形成され、酷い臭いが漂っているといった説明がされていました。
サルベージ
廃品を再利用するための作業。
狩り場(Hunting Ground)
狩り場とは、移動都市の中でも食物連鎖がさかんに行われている地帯のことを言います。ヨーロッパやロシアを含むアジア付近は大狩り場とも言われ、移動都市が食い食われしています。ただ、『モータルエンジン』の時系列では狩り場の機能も落ちています。
というのも、以前は狩猟がさかんに行われていたものの、時が経つにつれて狩り場を闊歩する都市の数は減少していき、資源が枯渇していたからです。
移動都市の需要を満たせるほどの供給がないという状態なので、『モータルエンジン』の作中では新たな狩り場を求めて大きく動いたり、巨大な壁が築かれて未踏になっている静止都市に攻め入る様子が描写されます。
オールドテク(Old Tech)
オールドテクは、古代の人間が使っていたアイテムが『モータルエンジン』の時系列で見つかった場合に呼ばれる名前です。いわゆる骨董品に当たるものがオールドテクで、移動都市ロンドンはもちろんその他の都市でも史学を学ぶ人にとっては貴重な存在でした。
発見されたオールドテクは、どれだけ貴重なのかという点で盛んに買い取りも行われています。そのせいか、スカベンジャーからすれば一攫千金も狙えるようなものです。
オールドテクとして発見される中でも「シーディー」や「アイポッド」、「パソコンキーボード」といった物なら誰もが知っていると思います。
他にもオールドテクはたくさん登場し、『モータルエンジン』の作中ではキーアイテムです。
復活者(Stalkers)
復活者はストーカーやジャガーとも呼ばれ、はるか昔の移動都市時代が幕開けする前にヨーロッパ付近の国々が作りだした戦闘ロボットです。ロボットと言っても元は人間、戦争によって命を落とした兵士を回収し、当時のオールドテクを使って機械を神経に繋いだりなどして復活させた者になります。
考えることは出来ても感情を持たず、食事や睡眠も必要とせず、命令をすれば忠実に従うしもべとなるため兵器として利用されています。緑色に光る眼光には赤外線センサーもあるため暗闇での活動も容易に、鋭い爪を使えば生身の人間など一たまりもありません。
なおストーカーについては別記事予定。
60分戦争(Sixty Minute War)
60分戦争は、『モータルエンジン』の世界を生み出すことになった数千年前に行われた壊滅的な戦争です。当時のアメリカと中国は原子力爆弾と変異性のウイルスを用いた大戦を引き起こしましたが、規模があまりにも大きかったため開始から終了まで1時間持ちませんでした。
この戦争によって人類の大半は犠牲になり、科学技術はもちろん知識的な部分もほとんどが失われました。失われた技術は数千年経過しても戻る事はなく、『モータルエンジン』の世界に至ります。
人類が再び鋭気を取り戻せなかった原因はこれだけではありません。戦争の後には地震や津波といった大規模な自然災害が発生していたのです。これによって南北アメリカを結んだ峡谷は破壊、ヨーロッパは火山の発達によってマグマの迷宮となり、新たな山や海が形成されます。
このような被害は最終的に土地をぐちゃぐちゃな泥などの質にしてしまったため、人々は地面で生活することが出来ず、都市を作り上げて移動しながら生活するようになった、という背景があります。
自然災害の余波については60分戦争による放射能の影響が指摘されています。
メドゥーサ(MEDUSA)
メドゥーサは、60分戦争でアメリカが使用していたとされる大量破壊兵器の1つです。本作の中では移動都市ロンドンのセントポール大聖堂に再構築され、古代の人工知能を持つコンピューター制御で動かすことができました。
メドゥーサはビーム(発電したエネルギーなのかは不明)を使った攻撃が可能で、射程距離は約200キロメートルとなり、セントポール大聖堂の頭をコブラの頭のように開閉して発射します。
ロンドンが秘密裏にアメリカの軍事施設からメドゥーサに関する情報や技術を盗み出したのが始まりで、完成させたものを使って未踏の地域に足を踏み入れようとするのが作中で分かります。
楯の壁(Shield Wall)
楯の壁は、バトムンフ・ゴンパとも呼ばれている巨大な建造物です。反移動都市同盟(静止都市)はこの楯の壁をヒマラヤの山岳地帯に形成することで、移動都市の進行を食い止めています。
移動都市はこの楯の壁を破ることで静止都市に進行しようとしているものの、近寄るものは攻撃を受けて破壊されるため決して近づくことは出来ません。
楯の壁を唯一破壊できるとされていたのはメドゥーサと呼ばれる古代兵器でしたが・・・。
大傾斜(The Big Tilt)
大傾斜は、移動都市ロンドンで起きた崩落事故のこと。ロンドンの第四階層の一部が下の階層に崩落し、建造物などが巻き込まれました。トム・ナッツワーシーの自宅はちょうど巻き込まれ、中にいた史学士の両親デイヴィットとレベッカが亡くなります。
6歳だったトムはちょうど外出中だったため無傷で生還し、以後孤児となって史学ギルドの3級見習いに就任します。