デグーの目やに：気になる原因と正しい対処法

愛らしいデグーと暮らしていると、ふとした瞬間に目やにが気になり始めるかもしれません。「これって大丈夫？」「病院に連れて行った方がいいのかな？」と心配になる飼い主さんも多いでしょう。

目やには、目の周りの汚れや細菌、ウイルスなどから目を守るために分泌される大切な役割を担っています。しかし、その量や色、デグーの行動に変化が見られる場合は、何らかの病気や体調不良のサインかもしれません。今回は、デグーが目やにを出す様々な原因と、家庭でできるケア方法、そして動物病院を受診すべき基準について詳しく解説していきます。

見逃さないで！目やにが出る主な原因

デグーが目やにを出す原因は多岐にわたりますが、多くの場合、以下のいずれかが関係しています。

細菌感染

目に細菌が感染し、結膜炎や角膜炎を引き起こすと、目やにの量が増加します。特に、感染が進行すると、目やにでまぶたがくっついてしまうこともあるため、早期発見・早期治療が重要です。

不正咬合

デグーは、ケージを齧るなどの行動により、歯のかみ合わせが悪くなる不正咬合になりやすい動物です。不正咬合は、目やに、涙、鼻水などの症状を引き起こすことがあります。歯の健康は、全身の健康に繋がるため、定期的なチェックが必要です。

アレルギー

ハウスダスト、花粉、特定の食べ物などが原因でアレルギー反応を起こし、目やにが増加することがあります。アレルギー反応は、目のかゆみや炎症、涙を伴うこともあります。

### 異物混入

目に砂やほこりなどの異物が入り込むと、目を保護するために涙や目やにの分泌量が増えます。

### 解剖学的異常

眼瞼内反や眼瞼外反などの遺伝性疾患により、まぶたが内側や外側に反転し、まぶたの毛などが眼球に触れて炎症を引き起こすことがあります。その結果、目やにが出やすくなります。

### 全身疾患

糖尿病などの全身疾患が原因で、白濁した涙が出るなど、目やにの状態に変化が見られることがあります。特に、デグーは糖尿病になりやすい動物として知られているため、日頃からの健康管理が非常に重要です。

### ストレス

環境の変化やストレスが原因で、目やにが増加することもあります。デグーは繊細な動物なので、ストレスを軽減する環境づくりを心がけましょう。

## 要チェック！目やにの色や量、デグーの行動変化

目やにの原因を特定し、適切な対処を行うためには、以下の項目を注意深く観察することが重要です。

### 観察項目とチェックポイント

| 観察項目 | チェックポイント | 重要ポイント |
| ————– | ———————- | ———————————————— |
| 目やにの色 | 透明、白、黄色、緑など | 色によって原因を推測できる場合があります。 |
| 目やにの量 | 普段より多いかどうか | 目やにの量が多い場合は、病気の可能性が高まります。 |
| 目の周りの様子 | 充血、腫れ、涙の有無 | 炎症の有無を確認しましょう。 |
| 角膜の濁り | 角膜が白く濁っていないか | 角膜の濁りは、視力低下に繋がる可能性があります。|
| デグーの行動 | 目をこする、しょぼしょぼさせる、食欲や活動量の低下 | いつもと違う様子がないか、注意深く観察しましょう。 |

## 飼育環境は大丈夫？見直すべきポイント

目やにの原因が、飼育環境にあることも少なくありません。以下の項目を再確認し、デグーにとって快適な環境を整えましょう。

### 温度

デグーの適温は20～25℃です。高温や低温は、デグーの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

### 湿度

湿度は40～60%が適切です。高すぎる湿度は、ダニやカビの発生原因になります。
### ケージ

十分な広さ（1匹飼育の場合、幅60cm、奥行き30cm、高さ30cm以上）があり、風通しの良い場所に設置しましょう。狭すぎるケージや風通しの悪い場所は、ストレスの原因になります。

### 床材

木質ペレットや牧草など、吸湿性と通気性の良い素材を使用しましょう。汚れた床材は、細菌やダニの温床になります。

### 餌

チモシーを主食とし、デグー専用のペレットを与えましょう。糖分の多い食べ物は、糖尿病のリスクを高めます。

### 砂浴び

定期的に砂浴びをさせましょう。砂浴びは、皮膚の清潔保持だけでなく、ストレス解消にも効果的です。

### ほこり

ケージ周辺のほこりをこまめに掃除しましょう。ほこりは、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

## おうちでできる！目やにのケア方法

軽度の目やにであれば、家庭でケアすることも可能です。ただし、症状が悪化する場合は、すぐに動物病院を受診してください。

### 濡らしたコットンやガーゼ

ぬるま湯で湿らせた清潔なコットンやガーゼを使用し、目頭から目尻に向かって優しく拭き取ります。1日に数回、目やにの状態に合わせてケアを行いましょう。

### ペット用ウェットティッシュ

ペット用のウェットティッシュを使用する場合は、目の周りに刺激の少ない、無香料・防腐剤フリーのものを選びましょう。

**注意:** 目の周りは非常にデリケートです。強くこすったり、刺激を与えたりしないように注意しましょう。また、目やにがひどい場合や、目の周りに炎症が見られる場合は、自己判断でケアを続けず、動物病院を受診してください。

## こんな症状は要注意！動物病院受診の目安

以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

* 目やにの量が多い、色が変化している（特に黄色や緑色）
* 目の充血や腫れがひどい
* 目を頻繁にこすったり、痛がる様子がある
* 食欲不振や元気がない
* 涙や鼻水が出ている
* その他、いつもと違う様子が見られる

## 信頼できる動物病院の選び方

デグーを診察できる動物病院は限られているため、事前に調べておくことが重要です。良い評判の動物病院を選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。

* エキゾチックアニマルの診療経験が豊富な獣医師がいるか
* 適切な検査や治療を行うための設備が整っているか
* 他の飼い主さんからの口コミや評判はどうか

インターネットや地域の動物病院情報誌などを活用し、複数の動物病院を比較検討することをおすすめします。

## まとめ

デグーの目やには、様々な原因によって引き起こされます。日頃からデグーの様子をよく観察し、目やにの色や量、行動に変化がないかチェックしましょう。飼育環境を整え、適切なケアを行うことで、目やにの予防や改善に繋がります。しかし、症状が改善しない場合や、他の症状が見られる場合は、早めにエキゾチックアニマルの診療経験が豊富な獣医師の診察を受け、適切な治療を受けましょう。大切なデグーの健康を守るために、飼い主さんができることをしっかりと行い、幸せなデグーライフを送りましょう。