オープニング
ヴォルデモート卿を倒したハリー・ポッターがホグワーツ魔法魔術学校に入学した年から約70年前の物語、舞台はアメリカのニューヨークにフォーカスが当てられ、1926年にさかのぼる。
当時、闇の魔法使いとしてはヴォルデモート卿に次いで2番目に要注意人物として掲げられたゲラート・グリンデルハルドは、世界中を襲撃して回り、新聞でも「ヨーロッパを襲撃」、「グリンデルハルドはどこへ?」という見出しと共に、破壊された建造物や泣き叫ぶ人々の姿の写真が映し出されていた。魔法界と人間界はグリンデルハルドの脅威によって脅かされていたのだ。
アメリカのアリゾナ州へ向かうため、ニューヨークを経由することになったイギリスの魔法使い兼魔法生物学者のニュート・スキャマンダーは、船を降りて税関を通過することになる。税関に止められたニュートは、カバンの中身を確認されるためダイヤルをマグル(魔法使いではない人間・ノーマジとも呼ばれる)に合わせて見せ、何事もなくニューヨークに足を踏み入れた。
夕暮れ時の石造りのタウンハウスがある通りが映し出されると、ところどころ破壊されている様子だった。報道陣や目撃者の声によると、どうやら黒っぽい塊が辺りを漂い、街を破壊して消えていったようだ。
風や突風ではないかという意見もあるが、ちょうどその現場では突風が吹き始めた。建物を破壊するように飛び出した突風はやがて地面に潜るようにみえ、道路を破壊しながら直進していくと、人や車を巻き込んで暴走した後は地下鉄の方に消えていった。
銀行へ
ニューヨークの街角を歩いていたニュートは、銀行の前を通りかかると女性が演説しているのを目にする。女性の名はメアリー・ルー・ベアボーン、魔法使いの存在について疑問を抱き、未来の人間が迫害されないためにも仲間を集め、新セーレム救世軍を率いようとしていた。
足早に銀行へ行こうとするニュートはメアリーに絡まれたものの軽くあしらうが、魔法生物が入ったカバンの中から金目の物が大好きなニフラーが抜け出していることに気づいた。急いでニフラーを捕まえようと銀行の中へ入っていくニュートだったが、後ろから怪しい動きを察知したポーペンティナ(ティナ)・ゴールドスタインがこっそりと追跡を始めていた。
ニュートが銀行の中で逃げ出したニフラーを追っていると、パン屋を開業するために資金の融資を求めてやってきた小太りの男性、ジェイコブ・コワルスキーと出会う。ジェイコブは会話をしようとするものの、それどころではないニュートはニフラーを見つけて追跡を始める。しかしカバンから銀の卵を落としてしまい、ジェイコブは返そうとしたが融資の相談の順番が来たため2人は遠ざかってしまった。
ジェイコブは融資を担当するビングリーさんに相談したものの、パンは工場で大量生産できる事から手作りのこだわり品なんてものは通用せず断られる。その後ニュートを見つけたため話かけたところ、魔法によって引き寄せられて姿くらましによって銀行の金品が入っている場所に入っていた。
ニュートはそこでニフラーを捕まえたものの銀行員のビングリーに見つかったため石にする呪文、ペトリフィカス・トタルスを使ってなんとか逃げ出すことに成功する。
事が終わったため、ニュートはこの記憶を忘れさせるためにジェイコブにオブリビエイトしようしていた。しかし、ジェイコブが隙をついてカバンで殴り上げて逃走を図る。その後ニュートは追いかけようとしたが、一部始終を全て見ていたアメリカ合衆国魔法議会(通称MACUSA)のティナに捉えられ、人間の前で魔法を使ったことによる違反行為による連行される。
議会
アメリカ魔法議会の本部に到着すると、会議中の調査本部へと出向き、ニュートは差し出された。また、その場の雰囲気は良いものではなく、グリンデルハルドの暴走の影響によって魔法の存在が露わになろうとしており、場合によっては戦争になりかねない状態ではないかという話だった。
魔法の違反で話をしなければならなくなったニュートは、獣が逃げ出したカバンを関係者に見せるが、中にあったのはキレイなパンだった。どうやらパンを持ち歩いていたジェイコブとニュートのカバンが入れ替わってしまったらしい。これにより、違反が確認できなかったニュートは開放、ただ普通の人間が魔法生物の入っているカバンを持っているため、2人はジェイコブのいる場所に行くことになった。
ジェイコブ
ジェイコブのいる安アパートに着いたときには、外壁が破壊されるなどガス爆発が起きたような状態になっていた。ジェイコブが持っていったカバンからはマートラップが飛び出して首を噛んだり、大きな蛾の様な生き物ビリーウィグが逃げ出したり、ニフリーや他の魔法生物がカバンから逃げ出していた。あたりが騒然とする中でニュートらは安アパートを魔法で修復するとともに、噛まれたジェイコブの治療をどうするか、逃げた生き物をどうするか話し合いを進める。またジェイコブは本来なら記憶が消されるはずが、ニュートのやらかしの大事な証人として消さない事に。3人は姿くらましを使い、どこかに向かう。
新セーレム救世軍
新セーレム救世軍の教会が映し出されると子供のモデスティが歌っている。
マ~マとおばさん 魔女狩りに
マ~マとおばさん 空を飛ぶ
マ~マとおばさん 魔~女は涙を流さない
マ~マとおばさん 魔女は死ぬ
魔女一号は おぼれ死に
魔女二号は 首吊った
魔女三号は 火あぶりに
魔女四号は むち打ちだ
教会では食事が行われ、メアリー・ルーもその場にいた。内部は教会の宣伝パンフレットが置いてあるほか、魔法使い反対運動の弾幕が置かれている。
ニュートとジェイコブ、ティナは、ティナの住むアパートに行ってジェイコブのけがの治療をしていた。またそこではジェイコブがティナの妹クイニーと良い雰囲気になる。
寝るとき、ニュートはカバンの中にジェイコブを呼んで様々な魔法動物を見せる。その中にはどこかで見つけたオブスキュラスもいたが、ジェイコブは動物たちに魅了された。
その後ニュートとジェイコブは動物探しをし始め、ある場所にいたニフラーを捕まえたあとにエルンペントを捕獲に向かう。
エルンペントの捕獲
ニュートとジェイコブは、霜がかかった公園の中を急ぎ足で歩いていた。遠くでゴロゴロとした音が聞こえると、ニュートはジェイコブにヘルメットを渡す。これから捕まえる魔法動物はとても危険で、ヘルメットがなければ一たまりもないらしい。
ジェイコブは更にプロテクターを受け取り、2人で逃げ出した魔法動物の場所へと向かった。
誰もいない夜の動物園にたどり着くと、そこには人間よりも大きなサイがおり、雄のカバに求愛のような行動をとっていた。サイの名前は、エルンペント。ニュートはエルンペントに対して使えるムスク香を体に塗り、興味を惹かせてカバンの中へと入れようとしていた。
しかし、ジェイコブがつまずいた際にムスク香の液体がこぼれてしまい、エルンペントの注目はジェイコブに向いた。危険を察知したニュートは魔法で助けようとしたものの、ヒヒがちょうどよく杖を盗んでどこかで行ってしまう。
ジェイコブはエルンペントに終われて凍った湖の上を走り逃げていくと、間一髪で木に登って場をしのいでいた。ニュートはヒヒから杖を奪い返し、今にも襲いかかりそうなエルンペントの前にカバンを出しつつスライディングのような動きをして、なんとか捕獲に成功する。
これで捕まえた魔法動物は2匹。後は一匹になる。
一方、外から動物の声が聞こえる中でニュートとジェイコブが寝ているはずの寝室を覗いたティナは、2人がいないことに気が付いた。裏切られた思いに馳せながらティナは外出していった。
エルンペントのいた場所についたティナだったが、そこにはカバンが置いてあるだけで2人は見つからなかった。
ヘンリー・ショー・ジュニアの死
ニューヨークのどこかの市庁舎では、装飾や数多くの円卓を偉そうな人々が囲んで、ステージ上でスピーチする予定の次期大統領候補ヘンリー・ショー・シニアの演説に耳を傾けようとしていた。スピーチを囲むのはニューヨーク社交界の名手や貴婦人たちが集まり、拍手喝さいで盛り上がりを見せる。
そんなとき、屋外から人ではない何かが苦しそうな息遣いで徘徊し、市庁舎の中に侵入していった。スピーチも半ばで暖まってきたころ、大広間のパイプオルガンが誰もいないのに鳴り響き、突風のようなものが発生する。
突風は円卓に襲い掛かると共に、ステージ上のヘンリーを掴むようにして上空へ持ち上げると激しく地面にたたきつけた。破壊された瓦礫の中、ヘンリー・ショー・シニアは息子の様子を確認したが、すでに亡くなっていた。
唖然とするヘンリー・ショー・シニアを前に、魔法の存在を父に進言していたもう1人の息子、ラングドン・ショーは勝ち誇るように「魔女の仕業だ」と叫んだ。
ニュートたちの逮捕
アメリカ合衆国魔法議会にある「魔法暴露警報ダイヤル」は「深刻」から「緊急」に切り替わり、魔法界の存在が知れ渡る一歩手前の非常に深刻な自体となっていた。内部のペンタグラム型の議会には世界中から魔法使いが集まり、ピッカリー議長が脇にグレイブスを従えて、ヘンリーが魔法で亡くなったことについて話合いを進める。
ちょうどそこに現れたティナは、ニューヨークで末登録の魔法使いを捕まえた件や、魔法動物が逃げ出したことについて報告をするが、「死人が出ているのに報告が遅ているのはなぜか」と問われた。証拠としてカバンをノックすると、ニュートとジェイコブがそこから現れる。
ニュート・スキャマンダーと言えば、戦争の英雄として知られるテセウス・スキャマンダーの弟として有名だった。スキャマンダーは魔法動物が逃げたことについて言及され、今回のヘンリーが亡くなった件も逃げた動物の仕業だと疑われる。
ニュートはすかさず魔法動物のせいではなくオブスキュラスの仕業だと反論したが、議会は騒然とするだけで信用しなかった。半ば強引に話は遮断され、ティナ、ニュート、ジェイコブの3人は逮捕されて牢屋に入れられる。
魔法動物たちが入ったカバンも回収されて議会の判断により処分されることになるが、ニュートはその場から離れるまで生き物たちの無害を訴えていた。
オブスキュラスとは
アメリカ合衆国魔法議会の牢獄では、カバンを取られたニュートが悲しそうにしつつティナやジェイコブが沈黙していた。沈黙を破るようにティナがニュートに謝罪すると、ジェイコブはオブスキュラスとは何かを問う。
ニュートがカバンに入れていたオブスキュラスは、3ヶ月前にスーダンで見つけたものを回収したものだった。しかし、何世紀も前からオブスキュラス自体は現れておらず、元々は魔女狩りが行われていた時代に迫害を受けていた子供たちが魔法能力を抑えつけ、力を制御する方法がわからないままに生み出された邪悪なものと判明する。
しかし、オブスキュラスを持つ子供は10才以上生きられた記録が残されておらず、もしヘンリー・ショー・ジュニアを襲った犯人が該当するなら子供ということになる。
その頃、新セーレム救世軍教会では大勢の子供たちが食事をしていた。モデスティは遊び歌をささやき、クリーデンスは孤独そうにしていた。
死刑からの逃走
2人の死刑執行人に見張られながら牢獄を出たティナとニュートは、グレイブスの元で尋問を受ける。ジェイコブは特に何もなく出られたようだ。
ニュートは尋問の中で、グレイブスがカバンから取り出したオブスキュラスの弁明をする。いわく、オブスキュラスはスーダンにいた女の子に取りついていたもので、引きはがすことで助けようとしたらしい。
色々反論したものの、グレイブスはオブスキュラスを持っていた事について悪用することで魔法界の混乱を招こうとする重大な裏切り行為だといい、ティナとニュートともども死刑判決が言い渡され、即座に実行されることになった。
ニュートとティナは、真っ白な部屋にドス黒い四角のプールと浮遊する椅子がある場所へと案内され、死刑をされそうになる。先に行われるのはティナ、幸福の記憶が取り出されてプールに投げ込まれるとその記憶が映し出され、微笑みながらそれを見つめる。
その頃、何かの異変に気が付いたティナの姉妹、クイニーはアメリカ合衆国魔法議会のロビーを訪れていた。忘却術師のサムとジェイコブが歩く様子を見てクイニーは声をかけると、代わりにオブリビエイトするからと連れていこうとする。
サムはクイニーに資格がないからと断るが、浮気の件について弱みを握られていたため言い返せず、ジェイコブはティナが連れていくことになった。
ティナは、死刑執行の前の記憶が呼び起こされていた。その場面では、ティナが新セーレム救世軍の内部に入り、メアリー・ルーから何かをされて覚えているクリーデンスが見られた、ティナは怒ってメアリー・ルーに魔法をかけるとクリーデンスを救出する。
死刑場所に着いたクイニーは、扉にかけられた強い施錠魔法に苦戦していた。そんな中で次はニュートの順番になり、手枷が外される。ニュートは幸福の記憶を呼び出されそうになるが、スウーピング・イーヴルを投げると辺りが混乱して隙が出来ていた。
その間にクイニーたちは中へと入っていき、ニュートは黒いプールの上に浮かぶティナを助けるとみんなで慌ててその場から逃げていく。アメリカ合衆国魔法議会はアラームが鳴り響き、混乱していたが、ニュートたちは闇祓いの群生に襲われながらも順調に逃げることが出来た。
最後はクイニーがカバンに他のみんなを入らせてロビーを駆け抜けていく。途中でアバナシーに声をかけられカバンの中身を問われたものの、得意の話術と美貌によって疑いを横にずらし、建物から出ていくことに成功する。
あるところではグレイブスがクリーデンスに対してある子供を探して欲しいと頼まれており、探している。
またニュートらは、最後の魔法動物のデミガイズを捕まえていた。
オブスキュラスの正体
グレイブスが探している人物はもうすぐのところまで来ていた。クリーデンスの元に現れたグレイブスは、そこにメアリー・ルーの亡骸があるのを発見する。ひどくおびえた様子のクリーデンスはグレイブスに助けを求めるが、探している人物がすぐ近くにいることや怒りからか突き放すような態度を取る。
それに対してクリーデンスはひどく悲しみ、失望し、負の感情をあらわにしていた。グレイブスはそこでで自分の過ちに気づいた。自分が追っているのはクリーデンスの妹のモデスティだと思われたが、モデスティからはオブスキュラスのような雰囲気は感じられず、実際にはクリーデンスが探していた人物だったのだ。
過ちに気づいたグレイブスはクリーデンスをなだめようとするが、もはや抑えることは出来なくなっていた。みるみるうちにクリーデンスは内部からドス黒いオブスキュラスが出現していき、凄まじい速さで街を破壊して回り始めた。ニュート、ティナ、ジェイコブ、クイニーたちはクリーデンスをなだめようとするが、とてもできなかった。
その頃アメリカ合衆国魔法議会にあるニューヨークを映し出す地図には、一部強大な魔力を放出するエリアがライトアップされてた。ピッカリー議長や闇祓いのメンバーはこれを見て、すぐさま現場に急行しようとしていた。
地下鉄の戦い
ニュートとティナはオブスキュラスと化したクリーデンスを追いかけていき、最後に地下鉄のホームにたどり着いたことでなだめようとする。ニュートを話を聞くクリーデンスはまったく気にも留めない様子だったが、以前助けてもらったティナの話は聞いてくれるようだった。
その間、地上ではアメリカ合衆国魔法議会の闇祓いたちが地下鉄を主にして結界を貼り、騒動を広めないよう尽力する。
落ち着いたかに見えたクリーデンスだったが、見捨てたグレイブスが再度現れたことで狂い始めた。荒れ狂うオブスキュラスに銃弾を撃ち込むよう命じたヘンリー・ショー・シニアにより鉄砲隊が連射したものの、ただの黒い塊には通用しない。
そこに結界を張っていた闇祓いがやってくると、クリーデンスに光の魔法を使って破壊、クリーデンスは散ってしまう。その様子にグレイブスは腹を立てて意味ありげな発言をする。
様子のおかしいグレイブスに魔法を使ったニュートにより、グレイブスは変装したゲラート・グリンデルハルドだと判明。
みんなの力でグリンデルハルドは捉えられ、アメリカ合衆国魔法議会によって拘束、収監されることになった。
オブリビエイト
ピッカリー議長は今回の件について、ニュートに仮が出来てしまったと言う。また魔法界の存在を知られてしまったことについて問題であり、その場にいる魔法使い全員の力を使ってオブリビエイトをしたとしても民衆の記憶は消せないと話す。
しかし、ニュートはある提案をする。カバンからサンダーバードのフランクを出すと、ポケットに入っていたスウーピング・イーヴルの毒液が入ったガラス瓶を取り出した。アリゾナでフランクを出す予定だったが、少し早めのお別れとして空高くはばたかせると、ガラス瓶を渡して上空へと行く。
ガラス瓶はたちまち上空で魔力を放出すると共に、フランクの力で雷雲が広がって雨が降り始めた。
雨には記憶をなくす効果が入っていたため、騒動で荒れ狂っていた民衆たちは浴びることでどんどん記憶がなくされていった。その効果は非常に強く、新聞記事の魔法使いに関する見出しさえも関係ないお天気情報に代わり、お風呂に入っていただけの人ですら忘れるほどだった。
その間に闇祓いは協力して修復呪文を街全体に唱え続け、破壊された痕跡は一切残らなかった。
最後にピッカリー議長はニュートに対して感謝の言葉を言うが、最後にジェイコブだけは記憶が消されていないことに気づいてオブリビエイトするよう命じた。
とっさにクイニーはジェイコブを隠すが、ピッカリー議長は別れの時間だけは与えるからしっかり消すように言い残し、その場を去っていった。
また誰も気づいていないが、この時ニュートはオブスキュラスのわずかな部分だけが空中を漂い、本体と結合しようする姿を目に映す。
ジェイコブとの別れ
街が直り、民衆から記憶が消えた頃に地下鉄の階段を上っていくジェイコブだったが、外はまだ激しい雨が降り続いていた。ジェイコブはそのまま雨に入って記憶を消そうとしたものの、クイニーに止められる。
クイニーはこのまま2人でどこかに行きたいと言ったり、ニュートもまた別れを惜しんでいた。「そもそも俺は魔法のことに関わるような人間ではなかったんだ。夢から覚めるようなものだろう」、そんなセリフをジェイコブは言い残すと、クイニーがキスをして雨の中に入る。
完全に目が覚めたジェイコブは、なぜ雨の中にいるのかわからない様子で歩き出していた。ニュートやクイニーもその時には姿がなく、どこかに消える。
事件の翌日
寒い時期でコートを着こむニュートだが、魔法動物逃げないようにカバンはしっかりと縛りながらニューヨークのどこかの波止場に来ていた。そこにはティナも一緒に来ており、2人は会話を交わす。
ティナはアメリカ合衆国魔法議会をクビになっていたが、ニュートが推薦してくれたおかげで再び調査部に戻れたようだ。そんなティナにニュートは本を書いているといい、書き終わったら直接会って一冊渡したいといった。
本のタイトルは「幻の動物とその生息地」、約70年後、ホグワーツ魔法魔術学校の動物に関する授業で指定教科書になっているものと同じだった。
別れ惜しそうな2人だったが、ニュートはティナの髪を一撫ですると船の中に入っていった。その様子を見ながらティナは嬉しそうな表情を見せつつ、2人の距離は開いていく。
事件から一週間後
色々あったジェイコブだったが、一週間後にはいつもの缶詰工場で他の労働者たちと共に働いてた。その日もハードなスケジュールをこなした後、古いカバンを持って退勤する。ちょうどそのとき、ニュートが現れて2人はぶつかったが、記憶を消されたジェイコブは当然わからない。
起き上がったジェイコブがカバンを持ち上げると、異様な重みがあることに気づいた。中身を見たジェイコブは、それが純銀にしか見えない何かだとわかった。またその中にはメモ書きが残されている。
「君の才能は缶詰工場で終わっていいものじゃない。これを担保にしてパン屋を開いてほしい。匿名の支援者より」
それはニュートが書き残したもので、カバンに入っていたものはオカミーが生まれたときに残る純銀製の大量の卵の殻だった。
事件から3か月後
それから3ヶ月後、アメリカ、ニューヨークにある通りには、たくさんの露店が立ち並び、その中には「コワルスキー」と店の名前が描かれた場所があり、たくさんのお客たちがショールームを興味津々に覗き込んでは購入していた。
店内に並ぶパンは、デミガイズ、ニフラー、エルンペントといったファンタジックアニマルなどを模したものばかりで、ジェイコブはまるで以前あった事を覚えているようだ。お客からは「どうしてこんなパンが思いつくの?」と言われるが、ジェイコブ自身もそれはわからない様子。
最後に女性客が1人訪れると、ジェイコブはドキッとした顔を見せる。クイニーがそんなジェイコブに微笑むと、かすかに記憶が蘇ったかのように微笑み返すのだった。