映画『IT2 イット THE END/それが見えたら、終わり』は「イット」シリーズの完結作であり、170分近い大長編ながら最後まで飽きない作りが魅力でした。
そんな本編だけでなく、知ると面白いのが映画製作における豆知識。本作ではカメオ出演があったりほかの映画のオマージュがちりばめられていたりと、知って得するトリビアがたくさんあります。
そこで今回は、映画『IT2 イット THE END/それが見えたら、終わり』にまつわるみんなが知らないトリビアを徹底紹介します。
目次
映画「イット2」トリビア1.ベバリー実は〇〇するタイプ?
ルーザーズクラブ唯一の女の子といえばベバリー。ベバリーは劇中で暴力をふるってくる旦那と結婚しており、子供時代に父親から受けていた虐待を彷彿とさせるものでした。
そんなベバリーが大切にしていたものはビルから貰ったポエムの手紙。27年に渡りビルから貰っていたと思っていたものの、実際にはベンが書いていたと最終的に気づきます。
そこでベバリーはベンと結ばれ、キスを交わした場面が印象的。しかしながら小説のほうでは、ベバリーはベンと結ばれながらもビルと浮気のような関係をするとのこと。映画では省かれていたのはスッキリ終わらせるためかもしれません。
映画「イット2」トリビア2.スティーブン・キングのカメオ出演
映画「イット」シリーズの原作者はスティーブン・キングですが、実は本編の中でカメオ出演しています。その場面は、ビルが子供時代の大切な思い出を取りにいったときのこと。
ビルはデリーにある骨董品店で子供の頃に乗っていた自分の自転車が売られているのを発見したわけですが、そのお店の店主がスティーブン・キングです。店主ことスティーブン・キングはビルの小説を読んだこともあり、「ラストの出来が悪い」といったセリフもありました。
原作者がカメオ出演するというのは、マーベル映画にも毎回出てきていたスタン・リーに通じるものがあります。
映画「イット2」トリビア3.スティーブン・キングに見せた監督のオマージュ
カメオ出演していた原作者のスティーブン・キングですが、この場面にはもう一個トリビアがあります。
それは、スティーブン・キングが飲んでいた飲料物のこと。このとき飲んでいたのはマテ茶と呼ばれるアルゼンチンの飲み物でした。
またマテ茶が入っているカップをよく見てみると、アルゼンチンのフットボールチームであるクラブ・アトレティコ・インデペンディエンテ(CAI)のロゴやイメージカラーが装飾されているのがわかります。
どうやら映画『IT2 イット THE END/それが見えたら、終わり』の監督であるアンディ・ムスキエティは、上記で書いたチームのサポーターをするほどのファンだそうです。
映画「イット2」トリビア4.リッチー黙って!
ルーザーズクラブで一番のおしゃべりといえばリッチー。話を始めると止まらなくなるため、小説やテレビ映画では「Beep, Beep Ritchie」というセリフを誰かが言うことでリッチーの喋りを遮断します。
このセリフは「イット」シリーズの1作目でも確認できますが、何の説明もなしにペニーワイズが言っただけでした。これについて原作ファンは「Beep, Beep Ritchie」の出番が少なすぎるなどの理由で製作サイドに抗議、批判的な感想を述べます。
そこで「イット」シリーズの2作目では、ベバリーとリッチーとの会話のなかで「Beep, Beep Ritchie」というセリフが追加されたようです。
映画「イット2」トリビア5.亀のマーチュリン
本編で触れられていた亀のマーチュリン。マーチュリンはスティーブン・キング著の「ダークタワー」シリーズに登場する柱の守護者として知られています。
そんなマーチュリンは、小説のほうでは子供たちにペニーワイズを倒すために必要なチャドの儀式を行い方法について解説。勝利に大きく貢献していた存在です。
映画「イット2」トリビア6.小説と原作におけるペニーワイズ討伐方法の違い
映画『IT2 イット THE END/それが見えたら、終わり』の最後はルーザーズクラブが追い詰められ、絶体絶命のなかでペニーワイズを討伐する方法を考案。結果的にその方法は正解だったようで、ペニーワイズはどんどん弱体化されて最終的に人間の勝利に終わりました。
そんなペニーワイズは、小説版だと倒し方に違いが見られます。まず小説版のペニーワイズは雌のクモで、生息地だった下水道のあらゆる場所に卵を産み付けています。そこでルーザーズクラブは、そこらへんの卵を破壊することがペニーワイズへの勝利への道でした。
このようにペニーワイズの討伐方法に関しては、映画・小説双方で展開が異なります。
映画「イット2」トリビア7.ヘンリーの削除されたシーン
いじめをする側のヘンリーは、映画のなかで精神異常者になりサブのヴィランという形で出てきました。
実はこのヘンリー、1作目の映画では友人を殺めたためそれ以降の本編には出てこなかったという削除されたシーンがあります。
2作目ではこの件について触れられると噂されていたものの、実際は父親を殺めたという容疑で精神病になり、削除されたシーン以上の役目を与えられた模様です。
映画「イット2」トリビア8.エディの死に関する映画・小説の違い
ペニーワイズとの最後の戦いで名誉の死を遂げたエディですが、実は映画と小説では死に方が異なる模様。
小説ではペニーワイズによって腕を噛み千切られ、雑に捨てられます。それから激痛と出血のあまり、最終的に命を絶つというものでした。
対して映画では、リッチーを助けるためにペニーワイズを攻撃。隙を突かれて突き刺され亡くなります。このようにエディの死に関しては、小説・映画で異なるようです。
なお、映画ではペニーワイズが弱体化していくなかでリッチーが腕を引きちぎっていました。この部分は小説で腕を噛み千切られたエディへの対比と考えられます。
映画「イット2」トリビア9.『遊星からの物体X』に対するオマージュ
映画本編の最後のほうで、ペニーワイズは戦う前に命を投げたスタンリーの頭の形をしています。頭はそのあと虫のような脚に成長し、ルーザーズクラブを追いかけ始めました。
この場面に関しては、ジョン・カーペンターが監督した1982年の名作SF映画『遊星からの物体X』のオマージュと言われています。この映画は南極基地における怪物と隊員達の戦いが描かれるのですが、怪物は「The Thing」みたいな呼ばれ方です。
「The Thing」に対する「It」という対比はもちろんのこと、本編ではペニーワイズがフラッシュライトで照らされている様子も確認でき、特にそのシーンがオマージュの裏付けとされています。
映画「イット2」トリビア10.撮影を楽しんだビル・スカルスガルド
ペニーワイズを演じた俳優はビル・スカルスガルドですが、「イット」の1作目では撮影のときに子供たちとの接触も最低限でした。
対して2作目の撮影では大人の共演者と実際に話たりしながら演じることが出来たようで、前作以上に撮影が楽しかったと言っています。
映画「イット2」トリビア11.ビルの小説はスティーブン・キング自身?
ホラー小説界の名匠スティーブン・キングは、大抵の作品が絶賛されているのが凄いところ。しかしながら多くの部分が高評価を受けるのに対して、結末に関してはインスピレーションが足りていないと度々批判的な意見を受けています。
そして映画に登場するビルというキャラクターは、大人になって小説家になりました。ビルは小説家として成功しているものの、作品の結末は微妙だと言われています。またカメオ出演のスティーブン・キングですらビルの小説の結末に毒づいていました。
この部分については、スティーブン・キングが小説家であるビルに対して自己投影した結果と言われています。
映画「イット2」トリビア12.子供の成長は早い
映画「イット」シリーズは1作目が子供中心で、2作目では回想場面のなかに前回キャスティングされたルーザーズクラブの子供たちが少しでてきた程度でした。
この部分に関して問題点だったのが、キャストされた子供の成長スピード。前回の撮影から2年が経過することで、子役たちもそれだけ大きく成長します。さらに子供の成長は早く、「イット」1作目と見た目と比べたら明らかに大人な顔に成長。
回想の時系列を前回と同じとした場合、大人の顔になってしまった子役たちを編集の時点で若く見せるようにエージングし直す必要があったそうです。
映画「イット2」トリビア13.映画『クリスティーン』のオマージュ
ビルが入った骨董品店のオーナーの頭上の壁に、「CQB241」と書かれた車のナンバープレートが掲げられているのをご存知でしょうか。
実はこの車のナンバー、スティーブン・キングが書いた小説「クリスティーン」のなかに出てくる車と番号が一致しています。
またオーナーは最初に自転車の金額について300ドルを要求。この部分に関しても、映画『クリスティーン』で車の販売価格を300ドルと提示していたジョージ・ルベーのセリフと一致します。
映画「イット2」トリビア14.前作以上に特徴づける数字「27」
「イット」シリーズに登場するヴィランのペニーワイズは、27年周期に出現しては子供たちを襲います。
これに関して映画の公開日も27という数字を尊重し、1作目の公開日は2017年9月8日(9+8+2+0+1+7=27)、2作目の公開日は2019年9月6日(9+6+2+0+1+9)といった形で足すと同様の数字になります。
また2作目ではこれだけでは飽き足らず、出演者の年齢の差まで合わせています。イサイア・ムスタファとチョーセン・ジェイコブス並びにティーチ・グラントとニコラス・ハミルトンの年齢差は、27歳とのことです。
前作以上に数字の27が印象強くされています。
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