ネットフリックスで気になる映画があったので調査。
そのタイトルは、映画『ザ・プラットフォーム(The Platform/El hoyo)』。
刑務所のような閉鎖的な空間を舞台に、食料を用いて現代の人間の階級を表している風刺映画の様子です。
設定の時点で視聴必見では?と思ったところ、どうやら評価も結構よい感じでした。ということで、映画のネタバレ感想、解説などしていきます。
- 映画『ザ・プラットフォーム(The Plaform/El hoyo)』ネタバレ
- 映画『ザ・プラットフォーム(The Plaform/El hoyo)』疑問点の把握
- 映画『ザ・プラットフォーム(The Plaform/El hoyo)』感想
びょ・・・描写がエグいよー
とても『CUBE』だった
目次
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
作品概要
タイトル(邦題) | 未定 |
タイトル(原題) | El hoyo |
監督 | ガルデル・ガステル・ウルティア |
ジャンル | ホラー、SF、スリラー |
上映時間 | 94分 |
キャスト | イヴァン・マサゲ、アントニア・サン・フアン、ゾリオン・エギレオール、エミリオ・ブアレ・コカ、アレクサンドラ・マサンケイ |
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』は、ガルデル・ガステル・ウルティア監督によるスペインのSFホラー映画。スペイン語の原題は「El hoyo」と書き、英語で「The Hole」です。邦題は記事の執筆時には特に決まっていません。
本作の舞台は、縦に長いタワー型の施設「ヴァーティカル・セルフマネジメント・センター」。ここに入所する者たちは定期的にランダムで自分のいる回想が変更されます。そして各階層では、上から順番に食料が運送。食料は上の階からどんどん食べられるので、下に行けば行くほど減少する設定です。
2019年にトロント国際映画祭でプレミア上映を実施。ミッドナイト・マッドネスで賞を受賞し、2020年3月20日よりネットフリックスでストリーミング配信されています。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
あらすじ
不思議な場所、何とも言えない牢獄、深い穴。未知の階数。各階に二人の受刑者が住んでいる。彼ら全員の食料が入った下降プラットホーム。生き残るための非人間的な戦いであると同時に、連帯の機会でもある。
気にする方は注意だよ!
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
キャラクター
ゴレン
ある日目覚めたら、プラットフォームに隔離されていた若い男性。
トリマガシ
ある程度の長い間、プラットフォームで生きてきた老齢の男性
ミハル
謎の多い女性。自分の子供を見つけ出すため、プラットフォーム内を渡り歩いています。
バハラット
愉快な男性。
イモギリ
運営側だけどプラットフォームにやってきた女性。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
1分でわかる内容・ストーリー
プラットフォームは閉鎖的な空間における食料伝達実験。成功した場合には広範囲に区域を広げ、住民たちに食料を同じような形で与えるための実証実験だった?
なるほど
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
詳細な内容をネタバレ紹介
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』ネタバレ.起
タワー施設「ピット」
年配の料理人が巨大な調理場を歩き回りながら、たくさんの様々な料理を目の前に満足げな様子を見せます。
ある日、コンクリートに覆われた番号48と書かれた場所でゴレンという男性が起床。同房にはトリマガシという名前の人がおり、ピットと呼ばれる場所の48階層にいることが明かされました。
トリマガシによると、刑務所のような施設であるピットの各階層には2人ずつの人間が存在。受刑者たちは月毎に別の階層に移されるとのことです。またピットで重要なのは食料関連。さらにトリマガシは、上下の階層同士の人たちで会話しないことを注意します。
食事のルール
アラームが鳴り響き、ゴレンたちがいる階層の中央に大量の食糧が乗せられた巨大なテーブルが到着。ただしゴレンたちの階層は48階。すでに47の階層を通過してきているため、食料は部分的に食事済みです。
ゴレンが食料を見て、あっけに取られている様子。そんななかトリマガシは汚い食べ方で、次々と口に食料を放り込みます。ゴレンはテーブルが下の階層に移動する前に、リンゴだけポケットに入れました。
その直後、階層48が過熱開始。トリマガシによると、食料を食べていいのは自分の階層にいる場合限定とのことです。もしも食料を貯めこんだり持っていたりした場合は、罰として居場所が過熱されるようでした。
ゴレンが持っていたリンゴを下に放り投げたところ、加熱が収まり平穏が訪れます。
2人がピットに来た理由
ゴレンはトリマガシと過去の話を開始。
ある日トリマガシは、些細なことがきっかけで激怒。近くにあったテレビを窓の外に投げたところ、ちょうど下にいた住民に当たって殺してしまったとのことです。トリマガシは精神病院に行かされることになったものの、もう1つの選択肢だったピットへの入所を選びました。
またトリマガシがこれまでに行ったことのある階層は、最低でも132。132の階層になると食料をほぼ残っていない状態だそうです。階層の上下では食料を節約してもらうようなやりとりをすることもありますが、どうやらほぼ通用しない様子。
なおゴレンがピットに来た理由は、卒業証書の受け取りだった模様。ピットに6ヶ月住むことを引き換えに、公認の卒業証書を受け取れるようでした。
またピットには物資の持ち込みが1つだけ可能。ゴレンはセルバンテスの有名な本である「ドン・キホーテ」を持ち込んでいたほか、トリマガシはナイフを所有していました。
死を選ぶ者
ゴレンは最初こそ食事をするのを拒否していたものの、やがて空腹に敗北。トリマガシが食べているように、ゴレンも急いで食事をするようになりました。
あるとき、上の階層から人間の死体が急降下。トリマガシいわく、ピットで生きることに疲れた人たちが自殺を選ぶのだそうです。またトリマガシによると、食料の届かない階層の人々は、上から落ちてくる人間の死体を食べることで生き延びていると言います。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』ネタバレ.承
子供を探す女性
ある日、いつもどおり降りてきたテーブルに謎の女性がいます。トリマガシによると、女性の名前はミハル。ミハルはピットのどこかに収容されているという幼い子供を見つけようとしているとのことです。
またミハルは、同居人を始末することで毎月ペアになる人物を無理やり変更し、自分の子供と合流しようとしている様子。上から落ちてくる死体のなかには、ミハルが始末した者も含まれることを示唆します。
それからミハルは、テーブルに乗って下の階層に移動。そこでミハルは入所者に強制わいせつされそうになりますが、返り討ちにして2人の人間を殺めていました。
ゴレンの覚醒
日は流れ、遂に階層が移動する日。ゴレンが目覚めたときには、自身の体がベッドに縛り付けられ、目の前でトリマガシがナイフを持っていました。
ゴレンたちが来たのは171階層。降りてくるテーブルにはもはや骨1本すら残っていない状況で、周辺の階層からは飢えに苦しむ人間の声で阿鼻叫喚です。トリマガシは、ゴレンを食べようとしているようでした。
それからしばらくして、トリマガシはゴレンの切断を開始。しかしながらゴレンが切られる前にミハルがテーブルと共にやってきて、トリマガシを止めます。
そしてゴレンはトリマガシを始末。ゴレンとミハルはトリマガシを解体して食べていました。初めてのカニバリズムにトリマガシの幻覚を見るゴレン。ゴレンはミハルと交わりながら、171階層での生活を何とか生き残りました。
イモギリ
171階層を生き延びたゴレンが次に目覚めたのは33階層。トリマガシは死んだため、イモギリという女性と新しくペアになります。イモギリは犬を連れてきていましたが、ゴレンはその様子を見て冷笑していました。
なおイモギリは、どちらかというと運営側の人間であるとのこと。ピットには200の階層があり、上から降りてくる食料は適切な量を食べれば最後の階層まで行きわたるようです。
ピットの目的もそのようなもので、食料を同じやり方で生き渡せることが成功できれば、外の世界でも同じ仕組みを取り入れようとしているようでした。
そこでイモギリは、下の入所者に対して適切な量を食べるよう説得。しかしながら下の人たちは、特に聞いている様子はありません。
それからイモギリは、根気よく入所者たちを説得。ただ言うだけでは説得することは全然できず、ゴレンが食料に排尿すると脅迫したときだけ言うことを聞かせることができていました。
ミハルはうそつき?
ある日、ゴレンたちはテーブルの上で倒れているミハルを発見。ゴレンたちの治療もあってミハルは目を覚ましますが、イモギリの犬を殺めます。
ミハルはそれから下に降りていき、いつものように残忍に行動。イモギリはミハルについて、ミハルの話は嘘だと言いました。
イモギリによると、ミハルはアジアのマリリンモンローになるための助けと引き換えに、自分1人でピットに入ったとのこと。またミハルは癌を持っているとも言います。
それからイモギリは、愛犬の死に病みます。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』ネタバレ.転
202階層
33階層を生き延びたゴレンが次に目覚めたのは、限界突破の202階層。目覚めたときにはイモギリが首を吊って死んでいました。どうやら運営側だったイモギリは、実際には自分の働いていた場所が嘘をついていることを知り、絶望して自殺してしまったようです。
なおゴレンが下を覗いてみたところ、まだまだ続く奈落。いったいどれだけの階層があるかはわかりません。それから飢えたゴレンは、持ってきた本を食べようとします。しかしながら食べられないので、結局のところ首を吊ったイモギリを食べることにしました。
カニバリズム2回目のゴレンは、トリマガシとイモギリの幻覚を見ます。
ゴレンの試み
翌月、ゴレンは新たな同居人としてバハラットと合流。前回に反して今回は6階層という今までで1番よい場所でした。バハラットが持ってきたのはロープ。どうやらピットの上部に行くのと、脱出してみるのが狙いの様子です。
それからゴレンは、バハラットにある提案をします。どうやらゴレンは下の階層にいたときに最低でも250階層以上はあることを見積もっていたようで、プラットフォームを降りて各階層に食べ物を配る試みをしようとしていました。ゴレンはピットでのシステムを破ろうとしていたということです。
提案に対し、バハラットは簡単に同意。仮に試みが失敗したとしてもプラットフォームに乗れば上に戻れるので、武装したうえで実験を開始します。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
ラスト・結末をネタバレ紹介
ピット
ゴレンたちは入所者たちを撃退しながら、プラットフォームの下降を開始。途中でピットに関することを知っている人物に会います。
その人物によると、少なくとも1つの料理を完全な形で送り返す必要があるとのこと。どうやら手をつけられていない食事を最上階に戻した場合は、ピットの管理者に対して異変が起きていることを知らせることができるようです。
そこでゴレンたちは、パンナコッタを戻すことにします。
それからゴレンたちは、重傷のミハルを発見。被疑者を始末したものの、ミハルは死んでしまいました。
最下層
下降を続けていくと、プラットフォームは333階層で停止。どうやらピットの最下層は333の模様です。
そこでゴレンたちは、ミハルの子供らしき人物を発見。プラットフォームを降りたところ、さらに下へと動きます。
それからゴレンたちは、パンナコッタを子供に与えました。そのあとみんな寝ますが、目覚めたときにはバハラットが怪我の影響で亡くなっています。
プラットフォームは、食べ物がなくてもその日のうちに彼らのレベルに到達します。
ゴレンは子供をプラットフォームに引きずり込みます。それから子供を撫でて睡眠。プラットフォームは最終的に非常に底部(上からの光がピンポイントであるところ)に下降します。
底部では、ゴレンは再びトリマガシの幻覚に遭遇。トリマガシによると、子供を管理者に戻すことが真のメッセージとのことです。また子供は1人で戻す必要がありました。
ゴレンは最下部に残り、子供が最上部に登ることを祈ります。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
疑問点の解説
結局プラットフォームの高さは何メートル?
映画では、各階層ごとに6メートルの高さがあります。そして最後のほうでは、ピットのなかには333の階層があることがわかりました。
この時点でプラットフォームの高さは、とりあえず1,998メートル。ただレベル0とレベル333の後のさらに深い地下室の部分が3階層分あります。
これらを含めた場合は、プラットフォームの高さ(深さ)はだいたい2,022メートルです。
食事のテーブルの滞在時間
食事のテーブルは、各階層ごとにだいたい2分程度い続けています。そして333レベルの階層があるので、全体的に行きわたらせるためには666時間、つまり11時間6分必要です。
なお各階層の移動にかかる時間と戻る時間は含めていないので、往復にかかる時間はさらにかかります。
333には何か意味がある?
数霊術では、333はアセンデッドマスターと完全に1つになったことを意味します。アセンデッドマスターは、キリストやブッダといった聖人のことです。
どうやら333にはアセンデッドマスターからサポートを受けられるらしく、自分の願望を希望通りにするための行動を示してくれるとのこと。
映画のなかで333階に到達したゴレンはトリマガシがアセンデッドマスターのような形で幻覚として現れ、ゴレンが望んでいたピットのシステムの破壊するには子供だけを返す必要があることを示してくれたような感じです。
映画『ザ・プラットフォーム(The Platform)』
感想
映画の映像だけを見ていたら特に代わり映えがなく、退屈するような印象。しかしながら隠されたメッセージ性が非常に強く、これほどまでに楽しめるとは思わなかったという感じでした。始まりはゆっくりとしていて、基本的にどんな映画なのかはわかりやすい。
閉鎖された空間で毎日の食べ物に意識を向け、食事が大切であることが植え付けられます。そして各階層によって食べ物の量は変化し、色んな人たちに遭遇。考えも色々あって、映像が同じでも飽きないのが魅力でした。
一番印象的なのはやはりメッセージ。
彼らはあなたの上にいる、彼らはあなたの話を聞かないだろう。彼らはあなたの下にいる、彼らに話しかけてはいけない。